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愛知・名古屋アジア競技大会のLoL部門で「Fakerの待遇が悪い」とXで話題に。エコノミー席、有線マウス、簡素な会場、配信なし――SNSで言われていることを韓国・日本の報道と突き合わせ、事実と誤解を一つずつ整理します。

CHAMPION LENS
アジール
ライズ
アーリ
ルブラン
オリアナ世界最高のLoLプレイヤーが、日本にやって来た。第20回アジア競技大会(2026/愛知・名古屋)のLoL部門に、Faker(イ・サンヒョク)を擁する韓国代表が出場している。大会公式Xも、Fakerの写真付きで期待を高める投稿をしていた。
第20回アジア競技大会(2026/愛知・名古屋) @AsianGames_2026
2026年9月30日 ・ Xで見るEスポーツ「League of Legends」
大韓民国 LEE Sanghyeok (Faker) 選手✨
世界最高峰のプレイメイキングに期待が高まります!!🔥
ところが、この投稿に添えられた会場の写真が火種になった。「Worlds(世界大会)とあまりに違う」「Fakerに申し訳ない」という声が、Xで一気に広がったのだ。
この記事では、SNSで言われている「Fakerの待遇が悪い」という話を韓国・日本のニュース報道と突き合わせ、一つずつ検証していく。
本記事は2026年10月2日、金メダル決定戦(12:00開始)の前の時点で確認できた報道・公式発表をもとに書いています。決勝の結果は判明次第追記します。引用したX投稿は公開ポストを原文のまま掲載しています。
大きく拡散されたのが、公式ポストを引用した次の投稿だ。待遇への不満が、ほぼここに凝縮されている。
にあ / 니아 🪽 @NIA__Apex
2026年9月30日 ・ Xで見るFaker様に申し訳なさすぎる
エコノミークラスの飛行機に乗せられ
有線マウスしか使えない環境でやらされ
いつもの1/100くらいの規模の会場で
実況解説はおろか配信すらなく応援もない
せめて美味しいご飯食べて帰ってくれ;;
指摘されているのはエコノミー席、有線マウス、会場の規模と無観客、配信なしの4点。報道で裏が取れるか、順番に見ていこう。
結論から言うと、これは本当だ。韓国の中央日報(Korea JoongAng Daily)によると、会場では接続トラブルを理由に無線マウスが禁止され、選手は有線デバイスへの持ち替えを強いられた。
もう一人のミッドであるZekaも、「有線マウスが一番難しい。まだ完全には慣れていない」と認めている。
プロにとってマウスは体の一部だ。重さやケーブルの抵抗感が変わるだけで、スキルショットの感覚は狂う。地味な話だが、選手にとっては一番効いている問題かもしれない。
SNSの投稿には出てこないが、報道で最も具体的に語られているのが練習環境だ。韓国MBCの名古屋入りを伝えるニュース(9月26日)は、予選期間の練習場が倉庫のような劣悪な空間で、試合直前に練習する時間も無いと報じている。
これに対するFakerの答えが、いかにも彼らしい。
「寝る場所さえあればよく眠れるので、大きな心配はありません」(MBCの取材に対して。原文は韓国語)
さまざまな環境で試合をしてきたから気にしない、というスタンスだ。ただし、文句を言わないのはFakerの人柄であって、環境が良いという証拠ではない。
韓国の初戦は、なんと朝9時だった。グループステージの日程は、次のポストが日本時間でまとめている。
りりぴちゅ @PichujpLi1y
2026年9月28日 ・ Xで見る【2026 アジア競技大会 LoL 日本時間】
会場:Aichi Sky Expo
LoL競技:9/29〜10/2
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グループステージ(Bo1)
…(以下、Group A/Bの日程)
普段のLCKは夕方から夜にかけての試合で、プロの生活は完全に夜型だ。Inven Globalによると、代表チームは起床時間を普段より6〜7時間早めて調整した。Faker自身も、海外大会での時差ボケに例えている。
日本と韓国に時差は無いのに、日本で時差ボケになる。朝の試合前に眠気と戦う選手たちの様子は、SBSの現地取材でも伝えられている。
会場は、愛知県常滑市のAichi Sky Expo(愛知県国際展示場)展示ホールD。グループステージは無観客で、写真に写っていた会議室のような空間が、そのまま試合会場になっている。
準決勝も無観客で、Zeusは「準決勝も見たかったファンは多いと思う」と残念がっていた(韓国日報)。観客が入るのは金メダル決定戦だけだ。
ただし、反論もある。noteで公開された検証記事は、前回の杭州大会もグループステージは無観客で簡素だったと指摘し、「叩かれすぎ」だと論じている。
同記事が本当の問題として挙げるのは、むしろ有観客の決勝ステージまで簡素なことだ。専用のeスポーツアリーナを用意した杭州と比べると、日本の受け入れ体制の差は確かに目立つ。
ここはSNSの情報が不正確だ。配信自体はあり、アジアオリンピック評議会(OCA)のAsian Games TVで英語のグローバル配信が行われている。
無いのは日本語の中継だ。日本eスポーツ協会(JESU)が9月14日に発表した日本語中継の対象は、TBSスポーツのYouTubeで配信される9タイトル。そこにLoLは含まれていない(fistbump newsも同様に報道)。
日本語で見られないという意味では、「配信が無い」と感じた日本のファンが多いのも無理はない。
座席クラスについては、執筆時点で裏付けとなる報道を見つけられなかった。総合スポーツ大会では選手団単位で移動を手配することが多く、ありえない話ではない。ただ、確認が取れない以上は事実として扱わないでおく。
| SNSで言われていること | 報道で確認できたこと | 判定 |
|---|---|---|
| 有線マウスしか使えない | 接続問題で無線マウス禁止(中央日報) | 事実 |
| (練習環境) | 倉庫のような練習場、試合直前の練習なし(MBC) | 事実 |
| (試合時間) | 朝9時開始、起床を6〜7時間前倒し(Inven Global) | 事実 |
| 会場が小さい・応援がない | 予選・準決勝は無観客。ただし杭州大会の予選も簡素 | 半分事実 |
| 配信すらない | 英語配信はあり。日本語中継の対象外(JESU) | 誤り |
| エコノミークラスの飛行機 | 裏付けとなる報道なし | 未確認 |
全部が誇張というわけではない。機材・練習環境・日程といった、選手のパフォーマンスに直結する部分には、報道でも裏付けがある。
背景にあるのは、日本代表がLoLに出場していないことだ。JESUは2月、eスポーツの派遣枠25名では11種目13タイトルすべてに選手を送れないとして、LoLを選考対象から外した(Inside Games)。基準は「メダルおよび入賞が十分に期待できる」かどうかで、JESU自身も「苦渋の判断」と説明している。
この決定には当時から疑問の声があり、日本のプロ選手Eviも理由を知りたいとXで反応していた(KAI-YOU)。
日本代表が出ない種目には、日本語中継も付かない。つまり自国開催なのに、日本のファンにとってLoLは「見えにくい種目」になってしまった。Fakerが来ても会場が盛り上がりにくいのは、この構造のせいだ。
環境はどうあれ、結果は圧倒的だ。韓国代表のロスターは次の6人。
TOP:Zeus
JG:Canyon
MID:Faker / Zeka
BOT:Gumayusi
SUP:Keria
9月30日のグループBでは、チャイニーズタイペイ(26分)、インド(19分)、香港を下して3戦全勝の1位(中央日報)。ミッドはZekaとFakerの併用で、Fakerはインド戦に出場した。
10月1日の準決勝はサウジアラビアに2-0で勝利。Zekaが先発し、1戦目は21分台で決着した(Inven Global)。
決勝は10月2日12:00から、チャイニーズタイペイとのBo5だ(Inven)。グループで一度勝った相手との再戦で、杭州大会に続く2連覇がかかる。
待遇の話題の陰で、Faker本人はもっと大きな話をしている。中央日報の取材に対し、eスポーツがアジア大会から外れるのは残念だとして、正式種目として認められ続けるよう選手と業界全体で努力する必要があると語った。
Fakerにとってアジア大会は、公開競技だった2018年ジャカルタ、金メダルを獲った杭州(2023年開催)に続く3回目だ。環境に文句を言うより、この舞台が次の世代に残ることを優先している。
だからこそ、運営側が応えるべきだろう。少なくとも無線マウスの問題、練習環境、日本語での情報発信は、次の国際大会までに改善できるはずだ。
有線マウスでも朝9時でも勝ち切ってしまうプレイヤーは、普段どんな数字を出しているのか。
LoL2LLMでは、Fakerの公開ソロランク(Hide on bush #KR1)をRiot公式APIから取得し、試合ID付きで分析している。詳しくはFakerのソロランク実データをAI分析を、同じT1でアジア大会代表のKeriaについてはKeriaのサポート実データ分析を見てほしい。
Korea JoongAng Daily:Faker leads Korea's perfect LoL run(英語)
Inven Global:At His Third Asian Games, Faker Grows More Seasoned(英語)
Inven Global:Zeka Starts vs Saudi Arabia in LoL Semifinals(英語)
本記事は公開報道・公開SNS投稿の引用と整理であり、Riot Games、アジアオリンピック評議会、大会組織委員会の公認・提携ではありません。
報道で確認できるのは、無線マウスの禁止、倉庫のような練習場と試合直前の練習時間がないこと、朝9時からの試合日程、グループステージと準決勝の無観客開催です。一方でSNSで言われた「配信すらない」は誤りで英語配信はあり、「エコノミークラスの飛行機」は報道では確認できませんでした。Faker本人は「寝る場所さえあれば大丈夫」と環境を気にしない姿勢を見せています。
韓国の中央日報によると、会場で接続トラブルが起きることを理由に無線マウスが禁止されました。Zeka選手は有線マウスへの適応が一番難しいと話しています。
日本語中継はありません。JESUが発表した日本語中継(TBSスポーツのYouTube)の対象9タイトルにLoLは含まれておらず、アジアオリンピック評議会のAsian Games TVで英語のグローバル配信を見る形になります。
JESUはeスポーツの派遣枠25名では全13タイトルに選手を送れないとして、メダルや入賞が期待できる種目を優先し、LoLを選考対象から外しました。2026年2月に「苦渋の判断」と説明しています。
2026年10月2日12:00から、Aichi Sky Expo展示ホールDで韓国とチャイニーズタイペイのBo5で行われます。LoL部門で観客が入るのはこの金メダル決定戦だけです。
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