読了時間 約8分
「プロの数字って実際どのくらいなの?」を、推測ではなく実データで見てみよう。 この記事では、Faker の公開ソロランクアカウント(Hide on bush #KR1)の実際のランク試合データを Riot 公式 API から取得し、LoL2LLM が想定する形でAI分析にかけた結果を紹介する。 すべて試合IDを明記しているので、各自で検証できる。
データ出典:Riot Games 公式 API(Match-v5)、ソロ/デュオランク(queue 420)、パッチ 16.12、2026年6月13日時点のスナップショット。アカウントは Faker の公開メイン「Hide on bush #KR1」。本記事は公開ゲームデータの引用であり、Riot Games の公認・提携ではありません。
試合ID KR_8257207023(36分、結果は敗北)。 Faker は Cassiopeia で対面の Sylas を数字上ほぼ完封している。
| 指標 | Faker(Cassiopeia) | 対面(Sylas) | 差 |
|---|---|---|---|
| KDA | 9 / 8 / 3 | 1 / 5 / 9 | キル +8 |
| CS(CS/分) | 327(9.0) | 213(5.9) | +114(+3.1/分) |
| ゴールド | 16,942 | 11,395 | +5,547 |
| 対チャンプダメージ | 46,022 | 16,113 | 約2.9倍 |
| ダメージシェア | 33% | — | チーム最大火力 |
CS差は 114(約3.1 CS/分)、ダメージは約2.9倍。レーン戦としては完勝だ。 それでも試合は負けている。これは初心者が最も誤解しやすいポイント── 「自分はレーンで勝ったのに負けた、味方のせいだ」── の正体を、プロの試合がそのまま示している。
上記のデータ(に試合中の時系列を加えたもの)を「初心者向けに、勝敗を分けた要因をデータから説明して」とAIに投げると、典型的にはこういう指摘が返る:
レーンのリードは作れている:CS/分・ゴールド・ダメージのすべてで対面を圧倒。レーンフェーズの個人技術は問題なし。
デス8は「リードの使い方」の問題を示唆:これだけ勝っていてデスが8あるのは、得たリードをサイドプッシュやオブジェクトに変換する前に、集団戦・キャッチで失っている可能性が高い。
視界42・コントロールワード2は伸びしろ:これだけ強い状態なら、マップを明るくして「安全に勝ち筋を押し付ける」フェーズ。リードしている側こそ視界に投資すると死ににくい。
重要なのは、AIが「KDAが良い/悪い」では止まらず、指標どうしの矛盾(大きなリード × 多いデス)から仮説を立てていること。これがスクショ1枚を渡すだけでは得られない、構造化データならではの分析だ。
同じ日の直近6試合(すべてミッド)を並べると、もっと面白い事実が出てくる。
| チャンプ | KDA | CS/分 | ダメージシェア | 結果 |
|---|---|---|---|---|
| Cassiopeia | 9/8/3 | 9.0 | 33% | 負け |
| Ahri | 5/8/3 | 8.4 | 29% | 負け |
| Yone | 1/6/3 | 9.4 | 23% | 負け |
| Yone | 0/5/2 | 9.0 | 21% | 負け |
注目すべきは CS/分は一貫して 8.4〜9.4 と非常に高いのに、デス数が多く(6,8,5...)、6連敗していること。 世界最高クラスのプレイヤーでも、ファーム能力(CS/分)は安定して高いまま、試合結果は連敗することがある── つまり CS/分のような個人指標と勝敗は、短期的には驚くほど切り離されている。 複数試合をまたいで見ると「Fakerの課題はファームではなくデス管理(この日は)」という再現性のあるパターンが浮かび、これは1試合だけ見ても分からない。
レーンで勝つことと試合で勝つことは別。CS差を作るのは前提条件であって、勝因そのものではない。
CS/分9.0はプロでも「上振れではなく標準」。逆に言えば、ここはランク帯を問わず最も再現性高く伸ばせる指標(具体的な目標数値は別ガイド「ランク帯別の目標スタッツ」を参照)。
連敗は実力低下ではないことがデータで分かる。CS/分が落ちていないなら、メンタルを保って継続してよい。落ちているなら一旦休む合図。
1試合で判断しない。複数試合を並べて初めて「繰り返す弱点」が見える。
ここで見せた「対面との差分の表」「複数試合の横並び」は、特別なツールがなくても LoL2LLM で再現できる。 自分の Riot ID で検索し、試合を選んでデータをエクスポートし、ChatGPT や Claude に「対面との差分を軸に、複数試合で繰り返している弱点を2つ挙げて」と頼むだけだ。 プロの数字は、自分の現在地を測るベンチマークとして使うのが正しい使い方であって、いきなり真似する対象ではない。